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2009/01/23

『森林と人間―ある都市近郊林の物語』

20090123book 1月20日に読了しました。
北海道大学名誉教授の石城謙吉さんのご著書です。
石城さんが北海道大学苫小牧地方演習林で行ってきた都市近郊林づくりが書かれています。
「都市近郊林」という切り口だけでなく、日本林業の歩んできた姿や現代の森林・林業を取り巻く矛盾をキレイに整理してくれています。

以下は、私が下線を引いたところ。
いろいろ思うところがあったんですが、ありすぎちゃって書ききれないので・・・そのまま書いちゃいました。
ちょっと長いので、お暇な方はどうぞ☆

「森林法では、森林とは林地と林木の総体、となっていて、現代社会では林地と林木には必ず所有権が設定されている。苫小牧地方演習林の林地と林木は北海道大学のものである。しかし、その林地と林木に囲まれた、市民の声がこだましている、この心地よい空間は誰のものだろう。」
「森林というものは、誰の所有であれ、本来、公益的役割を背負っているはずである。その公益的役割を担っているのは林木、林地のもつ経済的価値ではなく、森林空間のもつ機能である。」
「仕事に計画が重要であることを否定する気は毛頭ない。だが、最初に計画がないのは非科学的だと言う前に、自然の取扱いに関する科学の役割は、結果の解析のほうにあるという謙虚さも必要ではないか。林業にせよ、河川事業にせよ、自然に対する仕事がいちばん大きな過ちを犯すのは、計画が忠実に実行された時なのである。どれほどたくさんの自然が「計画遂行」の犠牲になっていることか」
「森づくり、川づくりには何よりも基本方針が必要である。しかしそれを実現する作業は、絵を描くのと似ている気がする。絵を描く時に、画家は構図の下書きはしても精密な設計図などはつくらない。一筆一筆、色と形を確認しつつ、筆を重ねたり描き直したりしていく。自然に対する仕事も、本来はそういうものなのではないか。少しずつ、絶えず前の仕事を見直しながら、新たな工夫を加えて進めていく。それが理想だと私は思う。」

今回は、引用しているので、出典を書きます。
石城謙吉『森林と人間―ある都市近郊林の物語』、岩波新書、2008.12.19
(上記がどこに載っているかは、コメント・直接、私に聞いてください)

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コメント

こんばんは!
私もこの本を少し前に読みました!
これからの森林問題を考えようとするときに元気をくれる一冊ですよね!
最近、岩波新書があんまり良い本(自分にとって)を出してくれなかったので、久々に嬉しい読書をしました!

投稿: 本の虫 | 2009/01/23 23:21

>本の虫さん
やっぱり読んでましたね☆
本当に、元気をくれる1冊ですよね!
久しぶりに赤線をたくさん入れながら読みました!

投稿: 日向 | 2009/01/24 16:26

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